慣れない場での展示に戸惑うこともありましたが、多くのお客さまのお褒めの言葉と在店にあわせて立ち寄ってくださった馴染みの皆さんの励ましのおかげで、どうにか大きな問題なく終えることができました。
お世話になった皆さまにはこの場を借りて改めてお礼申し上げます。
どうもありがとうございました。

さて、お礼だけの記事というのも味気ないので随分と久しぶりに作例のご紹介。
ちなみに当ブログ、管理人がモノ作りのくせに制作に関する具体的な記事が少ないためか「キミ、ちゃんと仕事してるの?」なんていったお言葉をいただくことがたまにあります。今後は心を入れ替えて、もう少しマメに作例も掲載していかないといけませんね。

というわけでお匙です。
(スプーンというよりは匙という風情かなと作者は思っています)
木の匙、得意とする作り手も多く、優品も数多くあるものですし、また難度の高い仕事でもあるので、あえて自分が手がけることもないだろうと考えていました。
ただ木のうつわの取扱いについてお話する際、金属製カトラリーの使用はお控えになるようご案内する(つまり木製をオススメする)のですが、カトラリーは別途ご用意くださいね、などと言わなければならないのは、木工職としてはなんとも居心地が悪いとも思っていました。
そこで一念発起、重い腰をあげてひとつ作ってみることに。
どちらかというと不純な動機で着手した仕事なので、姿形も自分の好み優先の勝手なものにしてしまった感がありますが、おもしろがって手にとってくださる方がいたら嬉しいですね。

それにしてもやはりカトラリーというのは難しいものです。
普段はいったん定めた形に頻繁に手を加えることは慎むようにしているのですが、この匙については作るたびにどこかしら見直しているように思います(ほんのわずかずつではあるのですが)。
すでにお求めいただいている数少ない皆さまには申し訳ないのですが、もうしばらくの間はしっくりくる形を探る日々が続くことになりそうです。