(1) 煮詰まる : 十分に検討、議論が尽くされて結論が出る状態になる
(2) 行き詰まる : 物事が進展しなくなる
(2) の意味で (1) が使われることって近ごろ多いですね。
それはさておき、仕事というものはどんな職種においても「考える」という重労働からは切りはなせないものです。もちろん無心に作業に没頭できることもありますが、悶々と考え込んでいる時間の方が意外に長かったなんてことありませんか?
なかなか考えがまとまらず行き詰まってしまうといった事態も誰にでもあることでしょう。とりわけ創作的な仕事に携わる人にとってはごく日常的な出来事かもしれませんね。
さてそんな時の対処法、色々あるとは思うのですが、最もポピュラーな方法は少し頭を休ませて気分転換をする、ではないでしょうか。例えばスポーツで汗を流したり、音楽や映画をじっくり鑑賞したり、友人と楽しく会食したり、お気に入りの場所に出かけて少し風に当たってみたり、などなど。
ボクの場合はなんといっても『おそうじ』なんです。
ちょっと症状が重い場合は『機械・工具のお手入れや作業場の整理整頓』 。
そしてかなり重症の時は『作業環境改善用の設備、備品の製作』となります。
あらためて並べてみると、我ながらあまりの内向性にちょっと絶句・・・。

そんなわけで今回は「重症」に陥ってしまった場合のお話。
気分転換ですから普段手がけるモノ作りとはかけ離れたことをする方が楽しいものです。先日はご覧の通りの電気工作でリフレッシュ。とはいえ通常作業の効率化も目的としていますからそれなりにマジメに取り組みます。

要求される機能と、材料・労力などのコストバランスを考慮しつつ、ある程度まで仕様が煮詰まったら見切り発車で(息抜きですからこのノリが大切)製作開始。
ハイ、どうにか完成しました! ↓

検討含めて丸一日以上費やしてしまいましたが、このくらいの工事をするとなかなかの達成感です。
ところでコレ、なにかと申しますと、集塵機(木クズや粉塵を吸い取る大きな掃除機のような機械)の電源操作をリモコンで行うための回路なんです。木工ろくろの作業をする時に頻繁に隣室まで行って集塵機をON/OFFするのがひどく手間だったのですがこれでほぼストレスフリーになりました。
う〜ん、なんだか俄然ろくろに向かう気持ちが高まってきましたよ。
(気のせい?)

制作の気晴らしを製作でするなんて妙な話に思われるかもしれませんが、例えばもの作りをされるひとにはお料理やお菓子作りが好きな方がとても多いですし、それほど珍しいことでもないのかなとも思います。
毎日毎日、「暮らしを豊かにしてくれる道具ってどんなものだろう?」なんていう容易に答えの出ない(答えなんてあるのかな・・・)問いに向きあっている者にとって、普段とは違った気持ちで何かを作るという行為は、初心を思い返す機会になったり、新しい視点を発見するきっかけになったりと心地良い刺激に満ちたものなのかもしれませんね。
ちなみに上記の電気工作などは基本的に全てロジックで成り立っているものですから、「必要な機能を最も効率的に満たす」という単純明快な目的に対して迷いなく進むことができるのが実に爽快ですし、機能が実現できたときの単純な喜びはモノ作りの根源的な楽しさと直結しているようにも感じます。つくり手の方の実用的な余技としてはオススメできる分野かなと思いますよ。自然素材のように予想外の手痛い反抗に泣かされることもまず無いですしね(笑)。
作業場には改善したい箇所が他にもまだたくさんあるのですが、夏休みの自由工作もほどほどにしておかなければマズイですから、それはまた次に行き詰まってしまった時のお楽しみとしておきましょう。
余談ながら業務中で最も行き詰まることが多いのが、ご想像通り当weblogの更新作業。文筆を職業とされている方のご苦労、さぞや大変なものでしょうね。

※ リモコン回路の補足情報(こんな狭すぎる情報に興味ある方いるかな〜)
主な材料
・既製の電波式リモコン:送信機(12V電池式)+ 受信基板(要DC12V電源)
・AC/DCアダプター(AC100V → DC12V)
・汎用パワーリレー(コイル電圧12V)
・電磁接触器(200V開閉用)
費用は以上の合計で4,500円ほどです。ほかに電線、接続端子類、外箱など。
入手先などの詳細情報が必要でしたらお気軽にお問合せください。
posted by nakoji at 23:52|
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