2012年10月23日

つながりの妙

いつも魅力的な展示を企画される名古屋駅のギャラリー『hase』さん、「工房からの風」に向けての準備のためにしばらくお邪魔できていなかったのですが絶妙のタイミングで絶好球を投げていただきました。

 『清岡幸道 展』 [hase:ハーゼ]@名古屋駅

嬉々として清岡さんが在廊される初日に伺います。

デジカメの電池切れのため展示の様子がご紹介できなくて申し訳ないのですが、ボクのヘタな写真などより実際に足を運んでご覧いただくのがなによりでしょう。

清岡さんともお話しすることができて、ついつい制作についてのあれこれを根掘り葉掘りお聞きしてしまいます。ボクの的外れな問いにも、丁寧にそして正直に応じてくださる姿勢がとても印象的でした。

そして作品、特徴的なお仕事のひとつかなと思う耐火のうつわ、フライパン、鍋にやはり目がいってしまいます。ボクが居合わせた際にも、ちょっぴり気難しそうな中年男性のお客さまが愛らしい小ぶりのフライパンをお求めになっていました(ウンウン、それにはつい手が伸びてしまいますよね)。

ただし日々うつわの収納に頭をひねっている我が家の状況下では、これを持ち帰るには奥さんとの協議が不可欠のため、ひとまず我慢。

結果、今回いただいてきたものはコチラ。


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………、シチュエーション、撮影の質ともに、清岡さんのカップ&ソーサーになんとも申し訳ないご紹介でございます。

画像の不出来はともかく、その大きさ、重さ、厚み、ハンドルの手取りの良さ、そして質実さと洒落気のさじ加減、思わずうなってしまいます。こういった仕事に触れるたびに、やきもののつくり手としてキャリアを積まれた方にはかなわないよなぁという気持ちになってしまいますね。

仕事場での来客用にもと思っていただいてきたのですが、気兼ねなく付き合えるマグとは一味違った豊かな時間を与えてくれるカップ&ソーサー(手掛けられている方、意外に少ないような気もしますね)、自分でも使う機会が増えそうです。

会期は11月3日(土)までとなっています。耐火の作品をご希望の方は早めに出掛けられたほうが良いかもしれませんよ。

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そして当日は「工房からの風」でご一緒させていただいた小澤基晴さんもいらっしゃるとの情報をリサーチ済みでしたので、展覧会初日終了後は期待通りの展開に。

清岡さんが昨年「工房からの風」に出展されたことはお聞きしていたのですが、同じく昨年出展者で折りよく名古屋で個展開催中だった染織家の濱野太郎さんも駆けつけてくださり、さながら『プチ同窓会@手羽先の風来坊』の様相となりました。清岡さんも、濱野さんも
久しぶりの談笑を心から楽しんでいらっしゃる様子で、同期出展時の裏話などもまじえたお二人の掛け合いを前にして、小澤さんとボクはただただ笑わせていただくのでした。(セッティングしてくださったhaseオーナー浅井さんには恐縮の一言です)。

うつわの制作者としての活動を歩み始めたボクと時を同じくするかのように、地元名古屋でギャラリーをオープンされたhaseの浅井さん、「工房からの風」にともに出展させてもらうこととなった小澤さん、加藤かずみさんのhaseさんでの二人展、そしてその後もこうして小気味よくつながり、広がり続ける不思議なご縁に(日頃は信心と縁遠い生活を送っているボクですが)誰にということもない感謝の念をいだいてしまう近頃です。

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さてさて、いつまでも楽しいひと時に酔いしれているわけにもいきません。次の仕事に備えてhaseさんから程近い名古屋駅前のお茶道具屋さんでこんなものを手に入れてきました。


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お茶道具のひとつ「振り出し」に欠かせない「菅蓋(スゲブタ)」というものだそうです。じつは来月にお茶のお道具をテーマとした企画展に参加させていただく予定がありまして、それに向けて少し挑戦的な仕事に取り組んでみようかと考えているところです。

コチラの企画展については、また近日中にも詳しくご案内させていただきますね。

posted by nakoji at 10:46| 日々のあれこれ

2012年10月18日

風のち晴れ

昨週末に開催されました「工房からの風」、無事に終えて戻ってまいりました。

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ご覧のような秋らしい爽やかな空の下、とても楽しく充実した時を過ごすことができました。二日目には傘が必要となる時間もありましたが、それを感じさせないほど多くのお客さまにご来場いただいたように思います。ボクのブースにも本当に多くの方がお立ち寄りくださり、たくさんの感想をお伺いすることができました。

このイベントを待ち望み、足を運んでいただいた大勢のお客さまはもちろん、終始細やかなサポートで支えてくださった事務局スタッフやオブザーバー作家の皆さん、たくさんの刺激をくれた出展作家の方たち、ほかイベントにかかわった全てのひとに心から感謝しています。

本当にありがとうございました。


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実は「工房からの風」当日を迎えるまでは、つくり手としてまだ実績の乏しい自分にとって、具体的な結果よりもこの半年励んだ時間と新たに得ることができた作家の皆さんとのご縁こそが最高の成果なのかなぁと考えていました。

ですが当日、多くのお客さまが楽しげに、そして時にお声をかけがたいほど真剣に自分の手がけた品に接してくださる姿を見て、それ以上に大切な何かをつかむことができたように感じています。

ほかにも同じ思いを抱いている出展者の方がいるかもしれませんが、いまは「おわり」ではなくて「あらたなはじまり」の時を迎えたかのような晴れやかな気持ちでいっぱいです。

そして、この思いをいつも忘れることなく今後の制作に取り組んでいきたいと思っています。


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   出展に際しての訓示を母ちゃんから受けるボウズ

今回もいちばん身近なところで支え続けてくれた母ちゃん、イッちゃん、本当にありがとうね。


posted by nakoji at 13:26| 日々のあれこれ

2012年09月02日

展覧会にて思う

『小澤基晴 加藤かずみ 二人展』  [hase:ハーゼ]@名古屋駅

昨日より開催でしたので、さっそくお二人が揃って在廊される初日に伺いました。


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骨太なあたたかみの中にひそむ洒落気、洗練された色・形におり込まれた確かな実用性、お二人の作品が静かな空間の中で調和していて、とても素敵な展示でした。

そしていつものことですがとても多くのことを学ばせていただきました。


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会期は9月8日(土)までとなっています。
ぜひ多くのひとに足を運んでいただきたい展覧会です。


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じつは小澤さん、加藤さんともに10月に開催される野外イベント「工房からの風」でご一緒させてもらうことになっていまして、そのご縁で昨日も親しくお話させていただきました。

つい数ヶ月前まで、木工分野以外の制作者と知り合う機会など全く無かったボクからすると、今まではギャラリーやうつわ店で作品を一方的に拝見するだけの関係でしかなかった方と(色々と立場は違えど)同じつくり手としてお話できるということが、楽しいながらもなんだか不思議に思えてなりませんでしたね。


今回もそうでしたが、個人制作者として活躍されている皆さんとお話する時によく感じることのひとつが、作家としての覚悟、矜持といったものが自分にいかに足りないかということです。

「作家」という呼称、つまるところ言葉の問題でしかありませんから、妙なこだわりは持ちたくないと思っているですが、手工に携わるようになって以来(今年でちょうど10年目になります)作家性というものとは縁遠い職人(工員)という立場が長かったためか、自らそう名乗るのは恐れ多いという気持ちがいまだに強いのも事実です。

もちろん、自身の名においてものを作り、他にないものとしてお届けすることを生業としているからには「揺るぎない個」としての信条と責任が求められるのは当然のことだと思いますし、お二人のように自然体でそれを感じさせるつくり手でありたいとも考えてはいるのですが・・・

活躍されている作家さんを前にして舞い上がっているようでは、きっとそこへ至る道はまだまだ遠いってことですよね〜。

posted by nakoji at 12:49| 日々のあれこれ

2012年08月15日

夏の自由工作

(1) 煮詰まる : 十分に検討、議論が尽くされて結論が出る状態になる
(2) 行き詰まる : 物事が進展しなくなる

(2) の意味で (1) が使われることって近ごろ多いですね。

それはさておき、仕事というものはどんな職種においても「考える」という重労働からは切りはなせないものです。もちろん無心に作業に没頭できることもありますが、悶々と考え込んでいる時間の方が意外に長かったなんてことありませんか?

なかなか考えがまとまらず行き詰まってしまうといった事態も誰にでもあることでしょう。とりわけ創作的な仕事に携わる人にとってはごく日常的な出来事かもしれませんね。

さてそんな時の対処法、色々あるとは思うのですが、最もポピュラーな方法は少し頭を休ませて気分転換をする、ではないでしょうか。例えばスポーツで汗を流したり、音楽や映画をじっくり鑑賞したり、友人と楽しく会食したり、お気に入りの場所に出かけて少し風に当たってみたり、などなど。

ボクの場合はなんといっても『おそうじ』なんです。
ちょっと症状が重い場合は『機械・工具のお手入れや作業場の整理整頓』 。
そしてかなり重症の時は『作業環境改善用の設備、備品の製作』となります。

あらためて並べてみると、我ながらあまりの内向性にちょっと絶句・・・。

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そんなわけで今回は「重症」に陥ってしまった場合のお話。

気分転換ですから普段手がけるモノ作りとはかけ離れたことをする方が楽しいものです。先日はご覧の通りの電気工作でリフレッシュ。とはいえ通常作業の効率化も目的としていますからそれなりにマジメに取り組みます。


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要求される機能と、材料・労力などのコストバランスを考慮しつつ、ある程度まで仕様が煮詰まったら見切り発車で(息抜きですからこのノリが大切)製作開始。

ハイ、どうにか完成しました! ↓


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検討含めて丸一日以上費やしてしまいましたが、このくらいの工事をするとなかなかの達成感です。

ところでコレ、なにかと申しますと、集塵機(木クズや粉塵を吸い取る大きな掃除機のような機械)の電源操作をリモコンで行うための回路なんです。木工ろくろの作業をする時に頻繁に隣室まで行って集塵機をON/OFFするのがひどく手間だったのですがこれでほぼストレスフリーになりました。

う〜ん、なんだか俄然ろくろに向かう気持ちが高まってきましたよ。
(気のせい?)

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制作の気晴らしを製作でするなんて妙な話に思われるかもしれませんが、例えばもの作りをされるひとにはお料理やお菓子作りが好きな方がとても多いですし、それほど珍しいことでもないのかなとも思います。

毎日毎日、「暮らしを豊かにしてくれる道具ってどんなものだろう?」なんていう容易に答えの出ない(答えなんてあるのかな・・・)問いに向きあっている者にとって、普段とは違った気持ちで何かを作るという行為は、初心を思い返す機会になったり、新しい視点を発見するきっかけになったりと心地良い刺激に満ちたものなのかもしれませんね。

ちなみに上記の電気工作などは基本的に全てロジックで成り立っているものですから、「必要な機能を最も効率的に満たす」という単純明快な目的に対して迷いなく進むことができるのが実に爽快ですし、機能が実現できたときの単純な喜びはモノ作りの根源的な楽しさと直結しているようにも感じます。つくり手の方の実用的な余技としてはオススメできる分野かなと思いますよ。自然素材のように予想外の手痛い反抗に泣かされることもまず無いですしね(笑)。

作業場には改善したい箇所が他にもまだたくさんあるのですが、夏休みの自由工作もほどほどにしておかなければマズイですから、それはまた次に行き詰まってしまった時のお楽しみとしておきましょう。


余談ながら業務中で最も行き詰まることが多いのが、ご想像通り当weblogの更新作業。文筆を職業とされている方のご苦労、さぞや大変なものでしょうね。


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※ リモコン回路の補足情報(こんな狭すぎる情報に興味ある方いるかな〜)

主な材料
 ・既製の電波式リモコン:送信機(12V電池式)+ 受信基板(要DC12V電源)
 ・AC/DCアダプター(AC100V → DC12V)
 ・汎用パワーリレー(コイル電圧12V)
 ・電磁接触器(200V開閉用)

 費用は以上の合計で4,500円ほどです。ほかに電線、接続端子類、外箱など。
 入手先などの詳細情報が必要でしたらお気軽にお問合せください。

posted by nakoji at 23:52| 日々のあれこれ

2012年07月19日

東北へ

いまさら何を、とお考えの方も多いでしょうが、「いまのうちに」あるいは「いまだからこそ」との思いもあり三陸沿岸部へ出かけてきました。

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  2006.07.06  志津川中学校より志津川漁港方面を臨む (南三陸町websiteより)

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 続きをみる ( ※ 2012.07.15時点の岩手県南三陸町での撮影画像を掲載しています)
posted by nakoji at 22:09| 日々のあれこれ